公開日 2021年02月20日
旧耐震基準マンションは住宅ローンが通りにくい?
旧耐震基準のマンションは住宅ローンの審査に通りにくいと言われています。
「この立地でこの価格?」とお値打ち物件を見つけることは多いかもしれませんが、そのような物件は旧耐震基準であることが少なくありません。
旧耐震基準のマンションは絶対に住宅ローンを組むことができないのでしょうか?
旧耐震基準の概要と、住宅ローン審査で旧耐震基準のマンションがどのように扱われるのか解説していきます。
旧耐震マンションとは?
旧耐震マンションとは、その名の通り古い耐震基準で建築されたマンションのことです。 旧耐震基準と現在の耐震基準ではどこが異なるのか、まずは詳しく解説していきます。
耐震基準は昭和56年6月1日から変更になった
現在の耐震基準は昭和56年6月1日から設定されています。 つまり旧耐震基準のマンションとは、昭和56年5月31日以前の耐震基準建築されたマンションのことです。
旧耐震基準の主なポイントは以下の通りです。
旧耐震基準の主なポイント
- 震度5強程度の揺れでも建物が倒壊しない
- 地震によって建物が破損したとしても補修することで生活が可能な構造基準
なお新耐震基準は震度6強程度の揺れでも建物が倒壊しない構造基準で設計されており、旧耐震基準のマンションは新耐震基準のマンションよりも地震による倒壊リスクが高いといえます。
その分、安く購入できるなどのメリットがありますが、旧耐震基準のマンションを購入するために住宅ローンに申込むと審査に通過することが難しいと言われています。
旧耐震基準のマンションが住宅ローン審査に通らない理由
旧耐震基準のマンションでは住宅ローンの審査に通過することが難しいと言われています。 「収入が安定しており返済に問題がないのであれば、建物の耐震性は関係ないのでは?」と考える人も多いと思います。 しかし住宅ローン審査の基準は、借主本人の返済能力だけではありません。
MEMO
住宅ローンで購入するマンションは金融機関の担保になるため担保の評価も住宅ローン審査では重視されるのです。住宅ローンは担保評価額までしか融資しない
住宅ローン審査では、担保となる不動産の評価を行います。 そして担保評価額の範囲内までしか融資をしないのが基本です。
注意
例えば担保評価額が1,000万円しかないのに借入希望額が2,000万円のような場合には担保割れとなり、住宅ローンを借りることはできません。
旧耐震基準のマンションは担保割れになることがある
マンションの担保評価を銀行がどのように行うのかは銀行によって様々で、その基準は公開されていません。
しかし、一般的にマンションの担保評価は、周辺の同程度の物件の売価から、物件の築年数や構造によって評価額を加減して決定する方法が取られます。
この際に旧耐震基準のマンションは担保評価の際に大きなマイナス要因になることが多いので、マンションの担保評価額がマンションの売価を割り込み、担保割れになってしまうことが多いのです。
担保割れになってしまうと住宅ローンは担保評価額の範囲内までしか借りることができないので、自己資金がある程度ない人が住宅ローンで旧耐震基準のマンションを購入することは難しくなるのです。
なぜ旧耐震基準のマンションはマイナス要因になるのか
旧耐震基準のマンションが担保評価でマイナス要因になる理由は以下の2点です。
旧耐震基準のマンションの担保評価でマイナス要因になる理由
- 地震によって建物が倒壊したら借主が住めなくなるため
- 建物を差し押さえた際に売却してもローン残高を回収できる見込みが低いため
地震によって建物が倒壊した場合でもローンは残り、ローンが残っている以上は返済していかなければなりません。 しかし倒壊した物件のローン返済をしていくことは借主にとって困難ですので、
銀行にとってはローンの返済が焦げ付く可能性が高くなります。
また住宅ローンの返済が長期間行われない場合には担保になっている不動産を差し押さえ競売で売却してローンの回収を行いますが、
旧耐震基準のマンションは売価が安くなるので売却してもローン全額を回収できる見込みが低いと言えます。
MEMO
このような理由から旧耐震基準のマンションは銀行の担保評価が売価よりも著しく低くなることが多く、住宅ローンを借りにくいと言えるのです。
旧耐震基準のマンションを購入したい時は
旧耐震基準のマンションは確かに住宅ローン審査に通過しにくいとは言えますが、必ずしも住宅ローン審査に通過することができないわけではありません。
旧耐震基準のマンションでも住宅ローンを借りることができる可能性の高い2つの方法を紹介していきます。
フラット35を利用する
フラット35には独自の耐震評価基準が設けられています。 旧耐震基準のマンションでも、フラット35の耐震基準を満たし適合証明書を取得することができれば住宅ローンを借りることができます。
フラット35の耐震基準は以下のようになっています。
フラット35の耐震基準
- 構造形式がラーメン構造と壁式構造の混用となっていないこと。
- 平面形状が著しく不整形でないこと。
- セットバックが大きくないこと。
- ピロティ部分が偏在していないこと。
旧耐震基準のマンションでも上記のいずれにも合致していない場合には審査に通ることがあります。
複数の銀行に申し込む
前述したように銀行によって不動産担保評価の基準は異なります。 銀行によっては旧耐震基準だから評価が大きく下がる所もあり、旧耐震基準でも周辺の同規模のマンションと同じ程度の売価と評価することもあります。
要するに旧耐震基準についてどのように評価するのかは銀行によって異なり、申し込んでみなければ分からないというのが実情です。
MEMO
1つの銀行の審査に落ちたら、その銀行よりも金利が低い他の金融機関の住宅ローンに申し込むことで審査に通過できることもあります。
まとめ
旧耐震基準のマンションは担保評価額が売価よりも低くなる傾向があるので、審査に通過しにくいと言えます。 しかし「旧耐震基準の住宅ローンに融資しない」という基準を設けている訳ではないので、銀行によっては審査に通過できることもあります。
ただし担保評価額が低くなる旧耐震基準のマンションをフルローンで組むことは非常に難しいと言えますので、できれば3割以上の頭金を用意した上で住宅ローンに申し込むようにしましょう。
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