公開日 2021年02月27日
住宅ローンの審査時に確認される信用情報
住宅ローンを借り入れるためには、審査に通過する必要があります。
しかし住宅ローンを申し込んだ人が、安定した職業につき安定した収入を得ていても、審査に必ず通過できるとは限りません。
申し込んだ人の信用情報に問題があると、年収や職業にかかわらず、住宅ローンの審査に落ちてしまうのです。
では、信用情報とは具体的にどのような情報を指すのでしょうか?また信用情報に問題があると判断されるのは、どのような場合なのでしょうか?
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住宅ローンの審査では信用情報がどのように確認されるのか
信用情報とは、クレジットやローンの申込状況や返済状況、借入残高などの情報です。
住宅ローンの審査に限らず、クレジットカードの申込審査にも利用されます。
金融機関や保証会社が、住宅ローンの審査時に信用情報を確認する理由は、ローンを申し込んだ人が、貸したお金を返してくれる人かどうかを判断するためです。
保証会社とは
保証会社とは、住宅ローンを借りた人が返済できなくなった場合に、ローンの残債を肩代わりしてくれる会社のこと
たとえば住宅ローンを申し込んだ人が、過去にクレジットカードの返済を長期間にわたって滞納していたとしましょう。
すると金融機関や保証会社は、「この人にお金を貸しても返してくれない可能性がある」と判断し、融資を断ります。
また信用情報に問題があると、住宅ローンを融資してもらえたとしても、希望する金額のローンを組めない場合や、希望の金利でローンを組めない場合もあるのです。
事前審査と本審査の違い
住宅ローンの審査は、事前審査と本審査の2段階に分かれています。事前審査を通過しなければ、本審査および物件の契約へは進めません。
事前審査では、年収や職業、勤続年数などから、住宅ローンを申し込んだ人の返済能力が確認されます。一方で本審査は、個人の返済能力と併せて、購入する物件の担保力も審査されます。
信用情報が確認されるのは、基本的に事前審査の段階。しかしインターネット銀行のように、本審査時に個人の信用情報を確認するところもあります。
また金融機関が住宅ローンを承認しても、保証会社が否認すると最終的に融資が実行されないこともあるのです。
住宅ローン審査で見られる信用情報機関
銀行やクレジットカード会社、消費者金融は、顧客の利用履歴を信用情報機関に登録するよう、義務付けられています。
日本国内にある信用情報機関が保有する信用情報は、専用のネットワークによって、信用情報機関同士で共有されてます。
また信用情報機関に信用情報の保存期間は、おおむね以下の通りです。
- クレジットカードやローンの契約内容・返済状況:5年
- 債務整理・破産申立・債権回収:5年
- クレジットカードやローンの申込み情報:照会した日から6ヶ月
たとえば、クレジットカードの支払いを長期間にわたって滞納した場合、CICもしくはJICCのどちらか、もしくは両方に金融事故情報が登録されます。
そして登録から5年間が経過しなければ、金融事故を起こした履歴は消えないのです。
また個人の信用情報は、所定の保存期間が経過しない限り、結婚をしても名字や住所が変わっても消えません。
住宅ローンが組めない!信用情報に「傷」が付く例
「何年か前に、クレジットカードの支払いを1度滞納したことがあるのだが、大丈夫だろうか・・・」と、心配になったことはありませんか?
しかしクレジットカードの支払いや借入の返済を、年に1度滞納したり、期日から数日間だけ滞納したりしただけでは、信用情報に傷は付きません。
以下のような状態になって始めて、信用情報に傷があるといえます。
信用情報に「傷」が付く例
- 滞納を短期間に複数回繰り返している
- 60日以上もしくは3ヶ月以上の長期間にわたって滞納している
- 保証会社が代わりに借金を返済している
それでは、信用情報に傷がついてしまう代表的な事例を、確認していきましょう。
クレジットカードの支払いを滞納
個人の信用情報に傷が付いている人の多くは、クレジットカードの支払いを滞納したことによるものです。
とくに2020年現在では、キャッシュレスの普及が推進されているため、クレジットカードの滞納によって信用情報に傷が付くリスクが、以前よりも増したといえます。
またクレジットカードを、複数枚所有している人も注意が必要です。
クレジットカードには1枚につき10〜30万円のキャッシング枠があります。そのため、カードを何枚も持っていると「いつでも多額の借金ができる人」とみなされて、住宅ローンの審査に落ちる可能性があるのです。
奨学金の返済を滞納
奨学金の借金の一種です。奨学金の返済を長期間にわたって滞納した過去がある人は、住宅ローンの審査に通過できなくなります。
ただし、日本学生支援機構に返還期限猶予を承認されていた場合は、奨学金の返済が遅れても信用情報機関に情報は登録されません。
携帯電話の本体分割購入代金の未納
携帯電話の本体代金を分割で購入している人が、購入代金の支払いを滞納した場合も住宅ローンの審査に影響します。
携帯電話の分割購入は、携帯販売会社のサービスではなく、クレジット会社を通じたクレジット契約の一種だからです。
一方で携帯電話の通信料金の支払履歴自体は、信用情報機関に登録されません。
他の金融機関から借り入れたお金の返済を滞納
たとえば過去に自動車ローンの返済を、長期間にわたって滞納したり、保証会社が変わりに返済していたりすると、住宅ローンの審査に通過できません。
また金融機関によっては、住宅ローンの申込時に消費者金融からお金を借りているだけで、住宅ローンの審査を否認するところもあります。
自己破産している
過去に借金を返済できず、自己破産をした経験のある人は、自己破産から一定年数が経過しないと住宅ローンを組めません。
とくに全国銀行個人信用情報センター(KSC)では、自己破産をした履歴は破産の手続きから10年間記録されます。そのため自己破産をした人は、破産手続きから10年経過しなければ、銀行や信用金庫で住宅ローンを組めないのです。
まとめ:信用情報に傷があるだけで住宅ローンは組めなくなる
クレジットカードの支払いや借金の返済を、複数回延滞したり長期間にわたって延滞したりすると、住宅ローンを組めなくなります。
加えて自己破産をした人は、金融機関によっては破産の手続きをした日から10年間経過しなければ、銀行や信用金庫で住宅ローンを組めません。
もしあなたの信用情報を知りたい場合は、信用情報機関で開示請求手続きをしましょう。
ただし信用情報を何度も開示請求すると、金融機関に疑われて住宅ローンを組めなくなるケースがある点に注意が必要です。