公開日 2021年03月28日
リーマンショックによって突然住む場所を失い、やむなく車上で生活することを強いられた高齢者(=ノマド)の過酷ながら希望にも溢れた生き様を描いた話題作『ノマドランド』
観てきました。
主演は『スリー・ビルボード』(2017年)でアカデミー賞主演女優賞受賞し、絶対的存在感で世界を圧倒したフランシス・マクドーマンド。
そして監督は、前作『ザ・ライダー』が第70回カンヌ国際映画祭の監督週間でプレミア上映されてアート・シネマ賞を獲得し、
本作では賞レースで監督賞を総なめしている注目の新鋭監督クロエ・ジャオ。
本年度のアカデミー賞でも作品賞を含む主要6部門にノミネートされ、新時代を切り開く女性タッグによって生み出された新たな傑作に期待が高まっています。
話題作だけあって 劇場は予約のお客で満杯でしたね。
見終わってほっと一息 屋根のある家の下での生活がつくづくありがたく感じます。
もっとも
この映画では ノマドは生活も自立し 帰りたい家もない というわけではなく 人によっては大家族に見守られているのに
敢えてノマドを続ける様が描かれてますが
ただ実際の報道を見ると下記のように事情はだいぶ異なるようです。
以下報道より抜粋
「 道の駅などに車を駐車して暮らす、車上生活者が増えている。 きっかけは引きこもり、DV、職場トラブル
例えば
派遣社員としてトラックの製造ラインで働いていたが、退職して寮を出たため、車上生活者となった。
「8時に出勤して午前1時まで働くこともあった。やりがいもなく、続かなかった。
今のほうが働いていた時より気持ちは楽」と言う。 後部座席には飼っていたハムスターの遺骨が置かれていた。
日中はファミリーレストランに移動し、隅の席で過ごす。
「友人ゼロ、彼女いない」という男性は、幼い頃に両親が離婚し、父方の祖父に虐待され、ノイローゼになったこともあった。
以来、どの職場でも人間関係に悩み、職を失うたびに車上生活をしている。
現在はプログラミングの勉強中で、「まずは仕事と住む場所。この2つですね。こんな生活を幸せと思いたくない」という。
車上生活者の支援をしている静岡県のNPOに高齢の母娘の車上生活者がいるという情報が入り、現場の道の駅に向かうとすでに移動していた。
NPO職員によると支援には課題があり、生活保護を勧めても拒まれるケースが多く、「助けてと言えない人は多い。言ってもらえる関係を作っていくしかない」と話す。」
だれにも頼れない支援も受けづらい生活
屋根のある家に住んでいることのありがたさをしみじみと考えさせられます。