騰落率ランキングのトップは戸田駅

　まずは、川口市・戸田市・蕨市内における中古マンション価格の騰落率ランキングを見てみよう。

　この10年間で中古マンション価格が上昇した駅は存在しない。このエリアでもっとも下落率が低いのが戸田駅、2位が蕨駅、僅差で3位が川口駅だ。それぞれが各市役所の最寄り駅であり、周辺住民だけでなく他駅の市民も利用する、市の中心駅といえる存在である。

　また、上位にはJR埼京線・京浜東北線沿線の駅がランクインしており、都心へのアクセスの良い駅ほど下落率が低くなる傾向があるといえるだろう。

※「騰落率」は、2008年、2009年、2010年築のマンションについて、新築時分譲価格に対して、直近の中古マンション売り出し価格の騰落率を計算したもの（小数点第1位以下は四捨五入）。駅から徒歩15分以内の物件が対象

戸田駅は、直通で池袋駅へ約20分の近さ

戸田駅前の風景（出典：PIXTA）

　上昇率1位となったのは戸田駅（埼玉県戸田市大字新曽字柳原、JR埼京線）だ。池袋、新宿に乗り換えなしで行くことができる。池袋駅へ約20分、新宿駅へは約25分と都心主要駅に近く、都心で働く人たちのベッドタウンとして人気の駅である。2018年度における1日あたりの乗車人員は、平均20,911人となっている

　駅直結の「サミット」をはじめ、周辺にはスーパーマーケットが複数ある。また、徒歩3分圏内にある複合商業施設の「T-FRONTE」には、家電量販店の「ノジマ」や100円ショップの「ダイソー」など多様な店が入っており、日々の買い物には困らない。

　駅の東側には戸田市役所や戸田市文化会館、ハローワークなどの公共施設が立地している。各種行政サービスを利用する際には、非常に便利だ。

　駅から少し離れると閑静な住宅街が広がっており、公園やスポーツ施設なども点在している。ファミリー層を中心に、快適な住環境を確保しやすいエリアといえるだろう。

総合利回りでも、戸田駅が首位

　次に川口市・戸田市・蕨市の各駅の中古マンションの「総合利回り」を見ていこう。

　総合利回りは、10年間での騰落率だけでなく、現在の賃料利回りも加味している指標で、投資利回りでもある。総合利回りが高いということは、自分で住む人だけでなく、投資家も注目する根強い人気がある駅ということになり、資産価値が高く、値崩れしにくい傾向があるとみていいだろう。　

※賃料利回りは、同じ広さのマンションを借りた場合の利回りを試算。「総合利回り」は、約10年前に購入し、現在の相場で売却し、さらにその間の周辺家賃相場の収入があったとして、実質利回り（年利、投資利回り）を試算したもの（小数点第2位以下は四捨五入）。駅から徒歩15分以内の物件が対象で、ネット上の公開情報を元にマンション情報サイト「マンションレビュー」が調査した。データは2019年9月時点。

　気になる駅はありましたでしょうか。マンションを購入する際の参考にしてほしいです。