公開日 2021年12月19日
こんにちは
お世話になっております。
今回は
◎与党、税制改正大綱を決定=住宅ローン減税の控除率は一律0・7%に
について取り上げます。
まずは12月17日の報道から
与党は10日、2022年度の税制改正大綱をまとめ、住宅ローン減税の控除率を一律0・7%とし、新築住宅の控除期間は13年にすることなどを決めた。借入限度額は、省エネ性能の高い住宅の早期取得を誘導するため、環境性能と入居期限に応じて引き上げる仕組みとした。既存住宅の築年数要件についての緩和も行う。投資型減税は、対象をZEHにも拡大する。住宅取得のための贈与税非課税の上限額は「良質な住宅」は1千万円、そのほかは500万円にする。税制改正案は22年の通常国会に提出される。
令和4年度税制改正大綱では住宅ローン控除が大きく見直されました。 まず2022年の住宅ローン控除の上限と期間がどのように変更されたのかを簡単にまとめてみました。
【2021年に住宅ローンの実行となる人】
・控除率1%で10年間控除 ・そのうち一定期間に新築の住宅購入(建築)契約をした人は13年間控除【2022年に住宅ローンの実行となる人】
・原則として、控除率0.7%で、13年控除 ・住宅の種類によって、住宅ローン残高の上限が一部引き下げ(住宅ローン控除の上限額も減少)
a,認定住宅は、5000万円(据え置き)
b,ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)は4500万円(引き上げ)
c,省エネ基準適合住宅は4000万円(据え置き)
d,その他の住宅は3000万円(引き下げ)
このため、改正前には最大600万円であった新築認定住宅の控除上限額が455万円と約3割減になり、
新築のその他住宅に至っては480万円から年273万円に大きく減少してしまいました。
そのため、これが大幅な改悪であると言われています。 確かに高年収の人にとっては大幅改悪です。
しかし実は、一般的な年収の人にとってはさほど改悪ではなく、場合により改正で得になるケースもあります。
控除率や控除上限の引き下げによるデメリットは少なく、その代わりとして控除期間が延長されたことによるメリットが大きいのです。
特に年収400万円、借入額3500万円の場合 国税庁の統計ではここ数年の日本人の平均年収は400万円台です。
そこで年収400万円で物件価格=借入額3500万円で比較してみました。住宅ローン控除の対象となる税額は年18.39万円です。
驚くべきことに、全種類の「新築住宅」において改正前の控除率1%で13年間の場合よりも、
改正後の控除率0.7%で13年間の場合の方が、減税額が大きくなりました。必ずしも、今回の住宅ローン控除の改正が「改悪」ではないのですよ。
まとめ~一般的な年収の人に新築の環境性能住宅を買わせる改正
令和4年度税制改正大綱では高年収の人にとっての住宅ローン控除の恩恵は大幅に減少しました。
これによって、高年収の人があえて多額の住宅ローンを組んで高い物件を買うという
財テク的な住宅ローン控除の利用は減っていくものと思われます。
そして、当記事で分析した結果が示すように一般的な年収の人にとって住宅ローン控除の恩恵はさほど失われていないことが分かりました
あくまで無理のない金額の範囲であればより性能の高い住宅を買うことで減税の恩恵を得ることができますので、その点を理解して上手に利用するようにしてくださいね。