公開日 2022年11月20日
住宅ローンを抱えている人は非常に気になる記事…実際、変動金利はいつ、どれくらい上がるのか
こんにちは
今回も非常に気になる記事をご紹介します
まずは円安メリット
日本の場合、物価上昇も止まる可能性があるという。
「インフレには『コストプッシュ型』と『ディマンドプル型』の2種類があります。前者は原材料の上昇、後者は需要の増加が原因です。今の日本で物価が上がっているのはコストプッシュ型で間違いありません。そして、コストプッシュ型は物価上昇が長続きせず頭打ちになるケースが少なくないのです」
今の日本で年収が増えている人は稀だろう。物価が上がっても、誰も買ってくれなければ意味がない。
「『100万円でも200万円でも買う』というディマンドプル型の物価上昇は長期化する傾向があります。ところがコストプッシュ型は、『そんなに高いなら買わない』と消費者にそっぽを向かれたら終わりです。需要は減少し、物価上昇は鈍化します。物価上昇が鈍化すれば政策金利が利上げされるという予測の根拠が一つ減ります。つまり、住宅ローンの金利が上昇するという根拠も一つ減ってしまうわけです」(
「円安を是正するため、政策金利を利上げしてほしい」という一部経済界の声も、場合によっては少なくなっていく可能性があるという。
「一般的に為替レートの変動は、デメリットが先に訪れ、メリットは遅れてやってくるという特徴があります。確かに今は輸入価格が高騰し、エネルギーや輸送コストが上昇。企業は大変な状況です。とはいえ、円安トレンドが長期化すれば、国内生産の復活が期待できます。良質の商品を海外で安く売り、稼いだ外貨は多額の円となって国内に戻ります。今の円安が続くとしたら、円安による景気回復も決して夢物語ではないのです」
生保の動向にも注目
短期的に見ても、来春に日銀が政策金利を上げるかどうかは不透明だ。金利の上昇に耐えられるのは、ごく一部の大企業だけだろう。日本では中小企業の割合が99・7%と言われている。どこも経営が苦しいのは言うまでもない。
「中小企業はコロナ禍で大きなダメージを受け、緊急の融資を受けたところも少なくありません。そろそろ返済が始まっているのですが、余裕で返せる会社など皆無でしょう。メインバンクに相談して借り換えるにしても、担当者が『日銀が政策金利を上げたので、うちも金利を上げます』ということになれば、倒産が続出してもおかしくありません。住宅ローンも全く同じです。政策金利を上げるリスクが極めて大きいことは、日銀もメガバンクも充分に理解していると思います」
前に見た通り、政策金利がマイナスのまま据え置かれたり、マイナス金利をやめるにしてもゼロ金利になったりするだけなら、住宅ローンの金利が上昇する可能性は減少する。 更に住宅ローンの金利が抑えられる要因として、生命保険会社の動向も要注目だという。 なぜ住宅ローンの金利と生保に関係があるのか、深野氏に解説してもらう前に、「国債が大量に買われると、一般的に金利は抑制されるか低下する」ということを理解しておきたい。 「不景気の影響もあって、日本の国債の利回りは1%を割り込む時代が長く続いていました。生保各社は契約者から保険料を受け取り、それを運用して契約者に配当します。損は許されないので、もともと生保は安全な日本の国債を好んでいました。ところが日本国債は利回りが低いので、金利の高い米国債の運用が長く続いていたのです」
不景気なら低金利
それが最近、国債の金利は上昇傾向を示している。ブルームバーグの公式サイトを見ると、11月16日現在、《日本国債30年》の利回りは1・41%だ。 「米国債による運用は為替リスクが避けられません。国債の金利が1・5%に近づくと、生保は『これならリスクのある米国債を買う必要はない』と判断します。生保各社は米国債から、30年ものなどの日本の国債を買う動きが加速するでしょう。そうなると、金利の上昇は抑えられるはずです。住宅ローンの金利も同じであることは言うまでもありません」
そもそも、アメリカの好景気がどこまで続くのかという問題のほうがよほど重要だ。 Business Insider Japan(日本語版)は10月19日、「アメリカが1年以内に景気後退に入る確率は100%…ブルームバーグが分析結果を発表」との記事を配信した。 もしアメリカの景気が減速すれば、日本の景気も悪化する可能性が出てくる。そうなれば金利上昇どころの話ではない。 「連合も経団連もベースアップを口にしています。来年の春闘は、ひょっとすると何十年ぶりかの大幅な給与上昇が実現する可能性があります。それでも物価高には追いつかないかもしれませんが、国民の収入が増え、経済が成長し、その結果として金利が上昇するのなら大歓迎です。しかし、今の日本経済は不安材料のほうがよほど多いでしょう。
来春に日銀総裁が替わるにしても、任期5年の間に住宅ローンの変動金利は1%上昇するかどうか、というのが冷静な予測だと思います」