ファクタリングに対する注意喚起

公開日 2023年03月25日

こんにちは

ファクタリングに対する注意喚起
 
ファクタリングとは主に、売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらい、売掛金の入金期日より先に資金化する資金調達の手段です。

法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。これ自体は民法にも載っている合法的な契約です

 ただ、金融庁などのページでは

  • 個人が勤務先に対して有する給与(賃金債権)を対象とした「給与ファクタリング」を業として行うことは、貸金業に該当(貸金業登録が必要)。貸金業登録を受けていないヤミ金融業者を利用すると、様々な被害や生活破綻につながるおそれ。

  • 事業者が保有している売掛債権等を対象とする「事業者向けファクタリング」においては、ファクタリングを装って貸付けを行うヤミ金融業者が存在。また、ファクタリングであっても、経済的に貸付けと同様の機能を有していると思われるようなものについては、貸金業に該当するおそれ。

    があり、注意を促されてます


     

  • 最近では、このスキームを個人に当てはめ、個人が勤務先に対して有する給与(賃金債権)を、給与の支払日前に一定の手数料を徴収して買い取り、給与が支払われた後に、個人を通じて資金の回収を行う「給与ファクタリング」という手法も現れています。「給与ファクタリング」などと称して、業として、個人(労働者)が使用者に対して有する賃金債権を買い取って金銭を交付し、当該個人を通じて当該債権に係る資金の回収を行うことは、貸金業に該当します。 また、高額な手数料を支払ってしまうと、本来受け取る賃金よりも少ない金額の金銭しか受け取れなくなるため、経済的生活がかえって悪化し、生活が破綻するおそれがあります。

 

 

事業者向けファクタリングに関する注意喚起

中小企業の経営者などを狙い、貸金業登録を受けていない者が、ファクタリングを装って、業として、貸付け(債権担保貸付け)を行っている事案が確認されています。

  •  ○ ファクタリングとして勧誘を受けたが、契約書に「債権譲渡契約(売買契約)」であることが定められていない

  •  ○ ファクタリング業者から受け取る金銭(債権の買取代金)が、債権額に比べて著しく低額である

などのケースは、ファクタリングを装った貸付けの疑いがありますので、十分注意してください。

 また、ファクタリングであっても、経済的に貸付けと同様の機能を有していると思われるようなものについては、貸金業に該当するおそれがあります。

 例えば、譲渡した債権の回収(集金)がファクタリング業者から売主に委託されており、売主が集金できなかった場合に、

  •  ○ 売主が債権を買い戻すこととされている
  •  ○ 売主自身の資金によりファクタリング業者に支払をしなければならないこととされている

などといったようなものについては、貸金業に該当するおそれがあります(貸金業の該当性については、契約書の文言だけでなく、経済的側面や実態に照らして判断されるものです。)。

 少しでも不審に思ったら、下記の相談窓口に情報提供・相談をお願いいたします。

 (参考)

 裁判例においても、

  • 〇 ファクタリング業者が債権回収のリスクをほとんど負っていない

  • 〇 債権の額面と無関係に金員の授受がなされていた

  • 〇 売主は、買戻しを行わざるを得ない立場にあった

  • 〇 債権が回収不能となった場合には代金を減額されるなど、債権の回収リスクが売主の信用リスクと同じとなっている

 といった事情等を考慮して、金銭の授受が金銭消費貸借契約に準じるものと判断されたものがあります(大阪地方裁判所平成29年3月3日判決)。

 業として、金銭消費貸借を行う場合には、貸金業登録を受ける必要があります。

注意喚起リーフレット(PDF)事案が確認されています。

まとめ

悪質な取立ての被害については相談を! 

 悪質な業者から、業務の平穏を害するような取立てが行われるおそれがあります。

 最高裁判所の判例では、権利の実行について、権利の範囲又は社会通念上一般に、忍容すべきものと認められる程度を逸脱するときは違法となり、恐喝罪又は脅迫罪が成立することがあるとされています(参考:最高裁判所昭和27年5月20日判決)。

 悪質な取立ての被害に遭った場合には、警察に相談をお願いいたします。


 ファクタリングにおいて、高額な手数料を支払うと、かえって資金繰りが悪化し、多重債務に陥る危険性がありますので、十分注意してください。