公開日 2023年09月02日
こんにちは。
「ゆっくりと倒産に近づいていく 」…この35年間で日本企業の「稼ぐ力」が激減した根本原因
後編です
日本は30年前には世界競争力ランキングで1位だったが、2022年には過去最低の34位に転落しjました。
その一因に、日本の労働者の約37%を占める非正規雇用者の存在がある。非正規が増えれば消費が落ち込むため、自社の製品やサービスが売れなくなり、デフレ一直線になる」といいます――。
記事によると
■危機感の乏しい「規制産業」のツケ 一方、海外は日本と違って積極的に投資をしているので、相対的に日本企業の生産性はどんどん下がってしまっています。
生産性とはつまり、同じ量の仕事をしたときにもっとお金が儲かるようにするということです。
他の先進国だとスマホで処理ができるような役所の業務やさまざまなサービスを日本ではいまだに紙で処理しているため、窓口に行かなければなりません。
また、システムも古いものをそのまま使っているので、非効率的です。
これが一番よくわかるのが日本の銀行です。ある大手銀行では、2021年2月から2022年2月までの間に11回ものシステム障害を起こしました。 ATMに通帳が取り込まれたまま出てこなかったりして、多くの利用者が被害を受けました。他の国でこんなシステム障害を連発すれば、口座の解約が相次ぐはずです。
特に新しい投資を行わないのは、日本政府によって保護されている保守的な業界です。先ほど挙げた銀行などのいわゆる「規制産業」は政府によって保護されていて危機感が乏しいので、新しいことをやろうとか生産性を上げようという気がないのです。 その結果、今や日本の生産性はアメリカの60%で、G7加盟国では最低です
■「世界競争力」はタイより下 スイスのビジネススクール「IMD」が毎年発表する「世界競争力ランキング」では、ビジネス効率性などのさまざまな指標を元に算出した各国の競争力をランク付けしています。 日本は1989年から1992年まで1位だったのですが、なんと2022年には過去最低の34位になってしまっています。
ほとんどの日本人経営者は海外のビジネス環境や国際機関の出しているデータなど全く見ていないので、日本企業がどんなに遅れているかを知らないのです。
日本企業の多くはバブル崩壊のときに苦境に陥ったので、「またそんなことが起きたら倒産してしまう。とにかく何かあったときのためにお金を貯めておこう」と考えています。
最後に
■ゆっくりと倒産に近づいていく
また、日本人は事なかれ主義の人が多いので、「何か新しいことをやって失敗したら評価が下がるから、前任者と同じことをやろう。そうすれば、前にこのやり方を考えた上司のメンツをつぶすこともないし、安全に会社員生活を過ごせる」と考えているのです。 しかも、今、日本企業の中で権限を持っているのは、高度経済成長期に子ども時代を過ごしてきた人ばかりです。 彼らの親たちも毎年のように給料が上がり、海外旅行を楽しんだり、最先端の家電製品を買ったりしていました。経済がどんどん成長していたので、毎年同じような仕事をしていれば、自然と結果が出ていました。なので、一生懸命働いて何か新しいことをやろうという発想はなかったのです。 なので、今の日本企業で上の立場にいるのは、なんとなく今までと同じようにやっておいて、子どもの頃と同じように時々旅行したり、おいしいものを食べたりすることができればいいなと思っている人だらけなのです。 そのため、日本の会社はどんどん儲からなくなっていきました。たしかに、内部留保を貯めておけば、経済が落ち込んだときに瞬間的には倒産を免れることができるでしょう。 しかし、そうやって投資に消極的でいると、結局競争力を失い、ゆっくりと倒産に近づいていくのです。それが今の日本企業、日本経済が陥っている現状です。