かつては憧れだった「団地型マンション」のヤバすぎる現状

公開日 2023年10月21日

 

今、静かに深い社会問題として認識されつつあるマンションの管理問題です。

マンションの管理は、大きく分けて、これを専門とする管理会社への「委託型」とマンション住民たち自身の手による「自主管理型」に分かれていそうです。
それぞれのマンションの事情と背景にもよるので一概にはいえないものの、仮に同条件のマンションであれば、プロの手が入る委託型よりも自主管理型のほうが、その管理費は割安といわれてます。

もっとも割安、かつ住民たち自身の手による管理、すなわち“素人”の手によるものだからこそ、想像を超えたトラブルが起こり得る……という可能性は否定できませんね。

そんな素人の手による自主管理型マンションでのトラブルの報告を何回かに分けまとめていきます。

タイプA 

メッセージを送りまくる

揉めるのは「住民同士」だけではない。自主管理型、加えて人と人と距離、関わり方が1970年代、80年代の昭和のど真ん中で止まっている団地型マンションで、
近頃、耳にするようになったのは、先の清掃当番の例にみられる「有力住民vs元住民」、そして「有力住民vs(元住民の)相続者」だ。

Aさんが暮らす住民自身の手で管理業務を行う「自主管理型」の団地型マンションでは、最近、こんなトラブルがあったという。

――とある一室からの管理費が振り込まれなくなった。この一室の入居者は賃貸で借り受けている。管理費の振り込みは家主となっている。そこで会計の役職に就く有力住民は、理事長と相談の下、管理費の振り込みがない物件入居者に、「家主の連絡先を教えろ」と厳しく迫った。入居者から聞いた連絡先に電話をしてもなしの礫。会計はスマートフォンのショートメッセージ機能を用いて、1時間に一度のペースで管理費を催促した。

これが奏功したのか、管理費は1週間後、家主から振り込まれた。自治会としては大助かり。集会所にて各自自前での支払いのジュースとお茶で乾杯した――。

話は、これで終わる筈だった。

後日、理事長、会計宛に弁護士名で内容証明郵便が届いた。そこには概ね、以下の内容が記されていた。
「たしかに当該物件は相続により所有していた。しかしすでに売却し不動産会社の手に渡っている」
「その旨、過去に連絡したが、当時の理事長から『素人なのでよくわからない』といわれ、当時の会計にもその旨伝えたが、『銀行に相談します』と何の関係もない管理組合との付き合いが長い地方銀行に勝手にこちらの個人情報を持ち出されて相談された挙句、何ら対応してもらえなかった」

「管理費を振り込んだのは妻が怖がって振り込んだ。携帯電話は今は妻が使っている。電話に出なかったのも知らない番号で怖かったからだ」
この件こそ理事会できちんと話し合わなければならない話にように思われるが、現在の理事長と会計により、結局、話はうやむやのうちに終わった。

 

タイプB
団地内の行き過ぎた慣習

不祥事を表沙汰にしない。だが住民皆が知っている、でも黙して語らず――。住民同士での庇いあいといえばそれまでだが、この件に関わった当時の理事長と会計の役職に就く現役員、そして“有力住民”たちへの恐れや配慮であることは事情を知らない第三者でも容易に察しのつくところだ。

「ここのマンションというか団地の理事会の役員は輪番制で決められます。そのなかでも会計なんて役職は、『フルタイムで仕事をしているととても出来ない』というほどの激務だそうです」

ここまで溜息交じりに語ったBさんが一呼吸置いて、こう言葉を継ぐ。

「だから会計の役職に就きそうになる2年前までに引っ越しする人が結構いるようです。会計役員就任の年、その前年なんかに引っ越しなどしたら、それこそどんな形でプレッシャーをかけられるやわかりませんから。私が入居してから知りました」

マンション理事会役員就任の前年、任期途中に転居を決めた住民は、現役員と有力住民の家庭訪問やマンション内の集会所に呼び出され、「転居時期を延ばす」か「転居後も理事会の手伝いに来ること」を約束させられるかの二択を迫られるという。

もっとも、それで「転居(して、一切の関りを絶つ)」を選ぼうものなら、転居するその日まで、否、転居してからもずっと有力住民たちの記憶にある限り、何を言われるや分からない。引っ越しするその日まで針の筵に座らされるという訳だ。

もちろん、こうしたやり方、慣習に異を唱える住民もいる。だが1970年代、80年代からずっとここで暮らし、何度も理事会役員を経験した“有力住民”には、そんな世間の常識は令和の時代の今でも通用しない。

「有力住民ともなれば、もうやりたい放題です。見ているこちらがヒヤヒヤするくらい。団地内を歩いている人の写真を勝手に撮影して、『不審者に要注意』と回覧板を廻す。その人はこちらの団地にあらたにお引越しされてきた方のご主人だったとか。誰かが注意しても、役員なら『素人なので……』、役員に就いていなければ『元役員として心配で。素人だから……』といえば、もう誰もその件は追求しない。というか追及するエネルギーを引っ越しに向けた方が建設的です」