【続編】かつては憧れだった「団地型マンション」のヤバすぎる現状

公開日 2023年10月22日

 

今、静かに深い社会問題として認識されつつあるマンションの管理問題続編です。

これらかつてのニュータウンに位置する団地型マンションが今抱えている問題は、
現在、最先端をいく住居として自他ともに認めるところであるタワーマンション、そしてここで暮らす人たちの将来を占うエピソードとしても捉えられるのではないでしょうか。

タイプC
月日が経ち全てが古びていく

Cさんは、今、真剣に転居を考え、物件探しに奔走している。もちろん自主管理型のマンションは敬遠、団地型マンションにもう住むつもりはない。

「今の時代の世間の常識、他人との適度な距離を弁えている住民が集うマンションに住めればそれでいいです」

“有力住民”が白が黒でも白と言えば白となる実態――これぞ限界集落ならぬ「限界マンション」「限界団地」といったところか。

1970年、80年当時こそ、時代の最先端をいく住居だった団地型マンションも、時を重ねていくにつれてその外観に綻びが出るのと同じく、ここに建設当時からずっと住む人たちもまた同時に老いてきた。建物は綻びを繕える。だが老いた人を若返らせることはできない。

このCさんが暮らす神戸市須磨区の団地型マンションで暮らす50代住民のひとりは言う。

「建設当時から入居している80歳超えの人(住民)など、未だ1980年くらいで時が止まっていますから」
なまじ時代の最先端をいく夢の住居ともてはやされた当時から、ここに住み、年齢を重ねているだけあって、別の、もしくは新たな価値観を認めようとはしないという意味である。

これら1970年代に建設された団地型マンション群は、新築当時、現在のタワーマンションと同じく、その購入価格も決して安価なものではなかった。むしろ高額な部類だ。建設同時からすこし後の1980年代、バブル真っ盛りの時期に、この神戸市須磨区の団地型マンションを購入したという70歳代住民は言う。

「うちは3000万円で買った。中古だった。今では100万円から高くても400万円。住む人の雰囲気も随分と変わってきた――」


 

 

今後タワマンはどうなるのか

総務省が5年ごとに調べている『住宅・土地統計調査』によると、今、日本の空き家数は約849万戸。空き家率は13.6%(2018年)だといいます。

今回紹介したこの神戸市須磨区の団地型マンション群にみられる「かつてのニュータウン」と呼ばれる都市開発が多々行われたのが1970年代当時、空き家数は1973年で約172万戸、78年で約268万戸である。空き家率はそれぞれ5.5%、7.6%。

1973年からデータのある2018年までの45年間で、空き家数は677万戸増え、空き家率は8.1%伸び

この空き家数と空き家率はシンクタンク、野村総研によると2033年には実に2146万戸・30.2%にまで増えそうです。

 

2010年当時から、「夢の住居」として注目を集めたタワーマンションも、建設から23年後となる2033年には、かつてのニュータウンの団地型マンション同様、そろそろ建物にも綻びが出始め、住む人も老いを気にする頃となる筈だ。その時、ここではどんな問題が起こるのでしょうか。

これらかつてのニュータウンに位置する団地型マンションが今抱えている問題は、現在、最先端をいく住居として自他ともに認めるところであるタワーマンション、そしてここで暮らす人たちの将来を占うエピソードとしても捉えられるのではないでしょうか。

単にそこに住む人だけの話、いわば他人事として問題を避けるのではなく、今こそ、そのような問いに社会全体で向き合うことです。