公開日 2025年01月25日
こんにちは
2025年の「不動産向け融資」はこうなる
米国でトランプ氏が復権し、経済は全体で見ると堅調です、中国は経済成長の減速がはっきりと示されています。
日本は日本は17年ぶりに利上げを実施しそして、不動産マーケットは総じて悪くなかったと言えるでしょう。
このような環境の中で、日本の金融機関は2025年にどのような融資姿勢を取るのでしょうか。
不動産投資家にとって金融機関の融資姿勢は大きな影響を受けます。
日本銀行の「問題意識」から、「融資姿勢」を探ってみる
日本は良くも悪くも「お上」が強い国です。日本銀行や金融庁の問題意識を探ることで、日本の金融機関の融資姿勢を予測することが可能です。
そこで日本銀行が公表している「金融システムレポート」の2024年10月に発表された直近版を基に、日本銀行の問題意識を確認します。
・不動産業向け融資の増加
不動産関連の貸出は増加傾向にある。それを受けて、商業用不動産価格・賃料比率がリーマンショック前のミニバブル期を超える水準に到達している。

(出典:日本銀行「金融システムレポート2024年10月」)
・都心の不動産市場のリスク
都心部の商業地区では高額取引が目立ち、不動産取引業の在庫も増加中。
・不動産業の財務状況
不動産業の財務状況をみると、不動産取引業のレバレッジ⽐率は⾜もと⼩幅に上昇しているものの、企業の利払い能⼒の指標であるICR{インタレスト・カバレッジ・レシオ=(営業利益+受取利息・配当金等)/(支払利息・社債利息等)}は、景気回復とともに上昇。ミニバブル期対⽐でみても⾼い⽔準で推移しており、デフォルト率も依然低⽔準で安定している。
ただし、不動産業は他業種と⽐べてレバレッジ⽐率の⽔準が⾼く⾦利感応度も⾼い
上記をまとめると、不動産価格は過去のトレンドと比べても高値となっており、不動産業の在庫増加が目立つこと、不動産業の財務体質は悪くないものの、金利上昇が悪影響を与える可能性があることを日本銀行は指摘しています。
2025年の融資姿勢を予想する
では、上記の日本銀行の問題意識をもとに日本の金融行政が行われる場合、金利上昇が予測される日本において、2025年には金融機関の融資姿勢にどのようなことが起こると想定されるでしょうか。
・不動産向け貸出の慎重化
金利上昇局面では、不動産業の収益性が圧迫される可能性があり、銀行は過剰融資を控える方向にシフトするおそれ。都心不動産の高価格帯取引への依存が進んでいる中で、潜在的な価格調整リスクを銀行が警戒する可能性。
・選別的な融資
商業用不動産の賃料対価格比率の過熱感を考慮し、銀行は融資対象を厳選する可能性。具体的には、財務体質が強固で、金利上昇耐性が高い不動産事業者に貸出を集中し、融資先の選別が進むおそれ。
・地方不動産の注視
地方都市や郊外不動産への融資には、都心以上に慎重になると予想。これは、人口減少の加速による需要の低迷リスクが背景。
・住宅ローン市場の影響
銀行の不動産向け融資姿勢は、住宅ローン金利にも波及。住宅ローンの需要を支えるため、金利上昇幅を抑える努力が続けられるが限界あり。
・長期固定金利貸出の回避
金利が上昇していくのであれば、現時点では固定金利貸出よりも変動金利貸出を金融機関は選好。金利が上昇していくのであれば、金利が上昇するまで待ってから固定金利で貸し出した方が金融機関が儲かるため。
・長期貸出の固定金利水準自体の上昇
上記と理屈は一緒だが、金利上昇局面においては長期固定貸出金利の絶対水準を上昇させるのであれば金融機関は融資に応じる可能性。要は将来想定される金利上昇分を織り込んだ (割高な) 固定貸出金利ならば、現時点でも貸し出しを行おうと金融機関は考えるため。
これらの予想は、地政学的リスクや国際金利動向などの外部要因に左右される可能性が高いと言えます。
また、特に地方銀行は貸出先が乏しく、業績維持のため資金需要がある不動産業への融資を簡単には絞れません。そして、日本の円安や低金利環境を評価し、海外からの不動産への資金流入が続けば、金融機関の融資姿勢が厳しくならずに、現状維持となることも十分にあり得ます。
◇まとめ