公開日 2025年04月12日
こんにちは
朝の過ごし方は人によってさまざまです。朝からしっかり食べて精力的に動いている人もいれば、朝食を抜いてあわただしく出かける人、ぼんやりと過ごす人。だが、朝の時間の使い方次第で、生活の質も、病気の発症リスクも変わる可能性がございます。
本特集では時間栄養学に基づき、朝から健康的でアクティブな1日を送るための「最適な朝習慣」を解説。それに欠かせない「朝食や運動」についても詳しく言及していきます。初回は、体の不調に直結する体内時計のメカニズムを解説します。
1日の計は朝にあり」――。日本にはこんなことわざがあり、最近では「朝活」という言葉も定着した。読者の皆さんの周りにも、「どうして朝からそんなに元気なの?」と言われるような人はいないだろうか。朝から活動的な人は皆、元気で若々しい。
一方で、「朝が大事」と頭では分かっていても、気だるさが先立って、朝の時間を有効に使えていない人もいるのではないか。例えば、仕事をリタイアして、朝からテレビをつけて何となくぼーっと過ごしていないだろうか。仕事がある人なら、平日は朝食抜きでバタバタと出かけていないだろうか。
「朝から元気で若々しい人」と、「朝から気だるく不健康に見える人」の差は何か。それは、眠りから目覚め、朝食をとり、身支度をするまでの「朝時間」の使い方ではないか。「朝から体がだるい」「しっかり寝たのに疲れが取れない」「朝は頭がぼーっとしている」という人は、朝の過ごし方を改善しよう。
体内時計が乱れると、さまざまな病気のリスクが上がる
「生活リズムの乱れは、軽い体調不良では済まなくなることもあり、軽視してはいけません」。
私たちの体の中には、「体内時計」と呼ばれる1日のリズムを刻むメカニズムがある。「ある実験では、一般的なマウスの寿命は2~3年ですが、体内時計が乱れたマウスは1年あまりで死んでしまうという結果になりました。体内時計が乱れたマウスは、肥満や高血圧など、さまざまな病気になりやすく、寿命も短くなっています」
これは動物実験の結果だが、大規模な疫学的調査においても、生活リズムが不規則で体内時計が乱れている人は、肥満になりやすく、糖尿病や高血圧などの生活習慣病のリスクが高いことが分かっている。つまり、体内時計の乱れは健康面で悪い影響を及ぼすため、放っておいてはいけないのだ。