公開日 2025年05月14日
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新宿線の「マイナー駅」が大化けする? 江戸川区役所の移転先「船堀」エリアはアツいのか
「船堀四丁目地区第一種市街地再開発事業」によって街はどう変わる?
東京都江戸川区にある都営新宿線・船堀駅のすぐ近くで「船堀四丁目地区第一種市街地再開発事業」が進められている。2023年10月に都市計画決定の告示がなされ、2026年度より既存のビルなどの解体工事を始める予定だ。
ただし、土地の大部分を占めるのは勤労福祉会館や都営アパートといった行政が管理する施設であり、同部分は既に更地になっている。再開発では江戸川区の新庁舎と400戸からなるマンションの2棟が建設される。
船堀は都営新宿線の停車駅があるが、都内では比較的マイナーな地域の1つと言える。不動産価格も比較的低い。しかし新庁舎の建設で、状況が変わるかもしれない。再開発地周辺の様子を調べてみた。
都心までのアクセスは良好
船堀は江戸川区の中西部、荒川沿いに位置している。

エリアの中心部にある船堀駅は、新宿駅と本八幡駅を結ぶ都営新宿線の停車駅で、同駅から本八幡駅までは4駅・約10分、新宿駅までは16駅・約30分でアクセスできる。
東京駅に向かう場合は、都営新宿線・馬喰横山駅で降りてJR・馬喰町駅まで歩き、JR総武線快速に乗り換えるルートが便利だろう。所要時間は30分弱である。
なお、船堀駅は高架駅となっている。東京都交通局による2023年度の1日平均乗降人員は1日約5万7000人で、JRの小岩駅や王子駅と同程度。都心までのアクセスが良い地域である。
駅の南口側には1991年に竣工した地上27階建て・総戸数217戸のタワーマンション「船堀駅前トキタワー」が建っている。賃貸物件であり、賃料は2LDKが15万円台、3LDKが18万円台だ。なお、低層階には店舗が入居している。
北口側には1999年に開業した「江戸川区総合区民ホール(タワーホール船堀)」がある。複数のホール、結婚式場、映画館などが入居する公共施設で、上部には高さ115メートルの展望塔が建っている。
駅周辺には飲食店や店舗が並び、駅から西へ100メートルほど進んだ場所には「イオンフードスタイル船堀店」がある。
商業地の周辺は住宅街であり、低層から中層のマンションが数多く並ぶ。なお、駅北口から西側の一帯は団地街で、都営住宅ならびにURの「船堀一丁目団地」がある。
困窮者向けのセーフティネットである都営住宅の賃料はおおむね2万~6万円台、UR団地は1LDK~3LDKで、9万~13万円台である。
1本100円未満のテイクアウト焼鳥店など、駅周辺には低価格の店舗も多い。近年では下町でもタワーマンションの建設が相次ぐが、船堀駅周辺はどこか懐かしい雰囲気を覚える。
再開発で江戸川区の新庁舎を移設
「船堀四丁目地区第一種市街地再開発事業」は、タワーホール船堀のすぐ北側、都道308号線と都道50号線が交差する船堀橋東詰交差点の一角で計画されている。

地区面積は約2.6ヘクタール。冒頭でも述べた通り、江戸川区の新庁舎とマンションが建つ予定で、工事着工は2026年度の予定だ。
計画地には現在も未解体の雑居ビルや小規模なアパートが建っているが、「勤労福祉会館」や「都営船堀四丁目アパート」は解体済みで、大部分が更地である。
開発事業は、大通り沿いの北棟と駅寄りの南棟に分かれており、詳細は下記の通りだ。
北棟(庁舎棟):敷地面積9600平米、地上21階建て・高さ約99メートル、江戸川区新庁舎
南棟(民間棟):敷地面積7300平米、地上26階建て・高さ約99メートル、住宅(約400戸)・店舗など
北棟には江戸川区の新庁舎が建設される。再開発事業の目的の1つとして、区は現庁舎の老朽化の解消を挙げている。さらに、現在庁舎は再開発地から北へ2キロメートル強、JR新小岩駅から約1.4キロメートルと、徒歩で行くにはやや遠い場所にあり、立地も不便だ。
南棟の低層階では、308号線に面する部分に商業・業務施設を配置する。上階は共同住宅となるが、現時点で価格帯や間取りは公表されていない。
ちなみにイメージパースでは、2棟と駅方面を結ぶペデストリアンデッキが描かれている。
では実際に価格は上がるのか
次回に続きます
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