公開日 2025年05月02日
トランプ米政権は29日、発足から100日間の成果を公表した。批判と不安が渦巻く強引な政策が「米国の黄金時代」に続くと主張する。うのみにはできない。同日朝にレビット大統領報道官が公表した内容を、米国でそれぞれの分野を担当する記者が検証した。
「米国向け投資のコミットメントは5兆ドルに到達した。45万1000件の高賃金な雇用を創出すると推定される。現時点で前政権の4年を上回る投資を確保した」
保護主義的な高関税政策や減税策の目的は国内製造業の復活だ。
だが、大々的な投資発表については企業側の「面従腹背」を指摘する声も出ている。
業績を分析すると、これらの金額はサプライヤーへの支払いや営業費用なども合わせた支出実績と重なる規模だ。今回の「5000億ドル投資」も、新規投資ではなく通常の事業運営範囲内の支出を指している可能性がある。
前回発表で目玉としていたノースカロライナ州での新拠点建設は中断したとも報じられており、2万人の新規雇用目標が達成されるかも不透明だ。
「米国のエネルギー支配を回復した。石油と天然ガスの価格は、大胆なアプローチにより大幅に下落した。ガソリン価格は7%下落した」
トランプ政権は業界支援のため石油・ガスのためのパイプラインや出荷基地の建設を促している。ライトエネルギー省長官は「ビルド・ベイビー・ビルド(建てて建てて建てまくれ)」と強調する。現政権下で液化天然ガス(LNG)基地の輸出許可をすでに4件出しており、輸出許可を止めていた前政権との違いを鮮明に出した。
ただこうした優遇策に業界が恩恵を受ける前に、高関税政策による景気悪化懸念から原油価格は急落した。
米エネルギー情報局(EIA)も4月に入り、関税による景気懸念などから世界の石油需要予測を下方修正した。

「政権発足以来34.5万人の雇用を創出。製造業は9000人増で、前政権の最後の2年間に毎月6000人減少していたことと対照的だ。米国人はこの数年で初めてとなる高インフレの緩和を経験した」
バイデン政権後期にあたる23〜24年、製造業の就業者数は月平均で5400人減少した。25年3月は1276万4000人でトランプ氏が大統領に就任した1月から確かに9000人増えた。
ただ新政権の政策効果とは言い切れない。たとえば分野別関税で保護しようとしている半導体・電子部品は2800人減った。2カ月の増加幅は0.07%にすぎず、統計の振れ幅の大きさを考えると誤算の範囲内だ。23〜24年も2カ月で9000人以上という増加は4回起きていた。
消費者物価は3月、前月比で0.1%下落した。マイナスは22年7月以来だ。あくまでガソリン価格の下落などを反映したもので、物価の瞬間風速にすぎない。ポーゼン氏は関税の引き上げによる輸入物価の上昇で、景気後退の有無にかかわらずインフレは高水準になると見通す。
物価上昇と景気後退が両立するスタグフレーションの懸念が高まり、FRB内では早期の利下げに慎重な声が多い。
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