出生数が初の70万人割れ 揺らぐ経済基盤

公開日 2025年06月09日

 

2024年の出生数が初の70万人割れ 出生率最低1.15、揺らぐ経済基盤

加速する少子化が経済成長や社会保障制度の維持の重荷になりつつある。厚生労働省が4日、2024年の人口動態統計を発表した。日本で生まれた日本人の子どもの数は前年比5.7%減の68万6061人で、統計のある1899年以降初めて70万人を割った。国の想定より15年早い。

 

1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は1.15だった。前年(1.20)より0.05ポイント下がり、3年連続で過去最低となった。人口を維持するのに必要とされる「おおむね2.07」を大きく下回る。05年の1.26を底に15年の1.45まで回復したものの、16年以降は減少が続いている。

国立社会保障・人口問題研究所が23年4月にまとめた将来推計人口(中位推計)は、24年の出生数を75万5000人、出生率を1.27と見積もっていた。出生数が68万人台になるのは15年後の39年のはずだった。

24年の婚姻数は前年比2.2%増の48万5063組だった。新型コロナウイルスの影響による急減から2年ぶりに増加したが、回復力は弱い。2年連続で50万組を下回り、戦後2番目に低い水準にとどまった。

日本は未婚で出産する人が少なく、婚外子の割合は2.5%(23年)に過ぎない。未婚や事実婚では出産や育児をしにくい社会規範が根強く、婚姻数の減少は出生数低下に直結する。

24年の死亡数は1.9%増の160万5298人、出生数と死亡数の差である自然減は91万9237人で、ともに過去最多だった。自然減の幅は前年より7万人広がった。香川県の人口(およそ91万人)と同規模が1年で減った。

急速な人口減少は日本経済の先行きに影を落とす。

生産年齢人口(15〜64歳)の減少により、労働力不足は深刻さを増す。これまで女性や高齢者の就労促進によって労働力人口は堅調に推移してきたが、少子化を補いきれなくなっている。

 

23年に6925万人だった日本の労働力人口は35年から減少局面に入り、50年は6287万人まで低下する。

人手不足が深刻になり、医療や介護、運送業といったサービスの維持は難しくなる」と指摘する。

人口減は消費を下振れさせ、企業による設備投資の縮小にもつながりかねない。

社会保障制度の持続可能性も揺らぐ。今の給付水準を維持するなら現役・将来世代の負担の増加は避けられない。若い世代の負担軽減のためには給付やサービスの水準を下げざるを得ない。

反転の兆しは見えない。25年に入っても、1〜3月の出生数(外国人を含む速報値)は前年同期比4.6%減と、出生減に歯止めがかかっていない。

親となる世代が減少すれば、出生数の回復はいっそう難しくなる。現在、出産適齢期を迎えている1990年代生まれは120万人で安定していた。2000年代半ば生まれは110万人を割り、10年代は100万人を下回る。政府は「2030年代に入るまでが少子化反転のラストチャンス」と訴える。

少子化は全世界が直面している課題だ。韓国は24年の出生率が0.75と経済協力開発機構(OECD)加盟国で唯一、1を下回る。前年よりわずかに上昇したが、水準は世界最低だ。歴代政権の対策は改善に寄与していないとの見方が強い。

子育て支援の成功例とされるフランスでも24年の出生率は1.62と戦後最低水準になった。2010年代半ばまで2程度を維持していたが、近年は低下傾向にある。アジアやアフリカの新興国でも都市部を中心に出生率の低下が広がっている。

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