公開日 2026年01月16日
この権利執行で殺人は許すことができません
加害者よりになるおおーるどめでぃあもしかり です
「刃傷沙汰は珍しくない」関係者が明かす強制執行の実態…
1月15日午前、東京都杉並区のアパートで、男性2人が刺される事件が発生した。2人は、アパートに「強制執行」のために訪れていた執行官と家賃保証会社の従業員と見られ、保証会社の従業員男性は病院で死亡が確認されたという。
報道によれば、2人を刺したのはこのアパートの1室に住む40代の男で、立ち退きを求める強制執行の手続きの最中だった。男は、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。
「家賃滞納」や「強制執行」は、賃貸経営を行う上で決して他人事ではない。リスク回避のため、大家はどのような行動をすべきなのか。「強制執行」の実態とともに、対応策を聞いた。
追い詰められ事件を起こしたか
今回事件が起きた現場は、京王電鉄京王線・井の頭線明大前駅から徒歩で15分ほどの住宅街。現場近くに数十年近く住むという高齢男性は、「普段は住みやすい静かな地域」と説明する。
「近くには学校や保育園もあるし、子どもも多い。環境がいいから、アパートも全然空きがないって聞いたことがあります。それなのにこんな事件が起きてしまうなんて…みんな驚いていると思いますよ」
報道によると、男は「住むところが無くなり、終わりだと思った」などと話しているといい、追い詰められる形で事件を起こしたとみられる。
現場と見られるアパート(中央奥)(15日午後、編集部撮影)
「強制執行に至らせない」対応の必要性
家賃滞納などを理由に契約が解除され、裁判で明け渡し命令が出た後も入居者が退去しない場合に、裁判所の執行官が現地で立ち退きを実行するのが「強制執行」だ。
2024年(令和6年)の司法統計年報によると、同年の強制執行の件数は約15万8700件あった。
不動産問題に詳しい関口郷思弁護士は「強制執行は単なる事務手続きではなく、リスクを伴う現場行為」だと指摘する。
実際の明け渡し現場では、入居者が激しく抵抗したり、暴力を振るったりするケースも。危険が予想される場合には、警察官に同行を要請することもあるという。
そんな強制執行の最前線に立つのが、裁判所に所属する公務員である執行官だ。催告と呼ばれる最終警告を経ても退去しない場合、執行官は業者(執行補助者)とともに室内の家財を運び出し、入居者を強制的に退去させる。
「何が起こるか分からない現場で、最も危険にさらされる立場」と関口弁護士は話す。
強制執行には、管理会社や弁護士、場合によっては大家自身が立ち会うこともある。入居者の突発的な行動によって、大家側の関係者が危険に巻き込まれる可能性も否定できない。
今回、逮捕された男はガスボンベに火をつけたとも報道されており、実際アパートの一室で火災も発生している。このように身体的な危険だけでなく、物件への被害も大きなリスクに挙げられる。
こうした事態を防ぐため、関口弁護士が強調するのは「強制執行に至らせないための対応」だ。
「入居者が退去後に行き場を失うなどの状況に追い込まれていれば、命がけで抵抗することも考えられます」。こうした可能性も見越して、大家側で自治体の福祉課などと連携し、退去後の住まいを確保した上で交渉を進めるケースも実際にあるという。
「裁判で勝てばあとは強制的に出せばいい…と考えてしまいがちですが、最後の段階は本当に何が起こるか分かりません。できれば強制執行に至る前に、どこかの段階で任意に退去してもらえるような形に持っていければ、一番リスクは減らせるのかな、と思います」
取材に応じる関口弁護士
「刃物が出てくる現場は珍しくない」
強制執行の内情に詳しいAさんは、現場の危険性について「刃物が出る、暴れる現場は珍しくありません。そのため現場では、部屋に入ったらまず目につく範囲で危険物を先に押さえることをするんです」と明かす。
ただし、Aさんによれば「意識不明の重体となるような事態につながることは滅多にない」という。
リスクを大きくしないために重要な点を、Aさんは「入居者を追い詰めない」ことだと語る。
「退去を迫られた側が行き先を失い、追い込まれた状態になると、発想が極端になることもあります。『差し違えてやる』などの言葉が投げつけられること自体は珍しくありませんが、実際に実行してしまう人もいる。特に、退去期限が迫っても先が見えない状況にあると、突発的な行動に出るリスクが高まります」
こうしたリスクがあることも踏まえ、「大家は、出ていってもらうと決めたなら、できるだけ第三者を介して交渉したほうが安全です」という。
「特に、当事者と大家さんが直接やりとりを重ねるほど、言わなくていい言葉を投げてしまい、相手の感情に火をつけるリスクも増してしまいます」
滞納者から「膝蹴り」されたことも
家賃保証会社で10年以上勤務していた0207(にがつなのか)さんは、今回の事件について次のように語る。
「保証会社時代に杉並区を担当していたことがありました。何度も督促のために訪れた場所で、このような事件が起きたことに、まず驚いています。理論上起こり得ることだとしても、本当にあるんだ、というのが率直な受け止めです」
警察車両などが並ぶ現場(15日午後、編集部撮影)
0207さん自身は、同僚などの実体験として刃物が取り出されるようなことは聞いたことがないと語る。一方で、督促のために訪問した際には、滞納者に膝蹴りをされて警察沙汰になったこともあったという。
保証会社の中には、従業員が防弾・防刃チョッキを着用すると公表しているところもある。
「つまり保証会社というのは、そういう仕事なんですよ。コンビニ店員になれば強盗被害に遭う可能性を否定できないのと同じで、相対する人から危害を加えられる可能性は常にある。私でも、1人で訪問するのは怖いな、と思う案件はありました。でも怖いというだけで、毎回警察を呼ぶのは実務的にも難しい。正直、防ぎようがないと思います」
今回の事件をきっかけに保証会社側の対応が変化していく可能性もあるだろう、と指摘した。
大家が「身を守る」ために
歴30年の不動産投資家・MOLTAさんは、今回の事件について「めちゃくちゃ怖い。それ以外言葉が思い浮かばない」と率直な恐怖を語る。
「自主管理でやっているような大家さんは本当に怖いと思います。特に、同じ物件や近隣に居住している場合、入居者に顔が知られているぶん危ない事態になる可能性もあります」
では、このようなリスクから身を守るために大家はどうすべきか。MOLTAさんは「なるべく大家側の個人情報を出さないようにするしかない」と言う。
実際、MOLTAさんは最近委託管理をしている物件において、賃貸借契約書の貸主欄を大家個人ではなく管理会社名義にしてもらう(大家代理とする)ことで、名前や住所を表に出さないようにする工夫をしているそうだ。
強制執行官も含め、代理で間に立ってくれる人々への感謝を強調しつつ、大家自身も自衛を考えることは重要だと語る。
「ただ、大家さん自身がどんなスタイルを選択するかにもよります。たとえば大家と入居者でおすそ分けをし合うような、昔ながらの温かい関係も、それはそれで良いものです。一方で距離が近いほど、今回のような事件のリスクもあるので、覚悟は必要になります」
取材に応じるMOLTAさん
MOLTAさんは過去に、家賃滞納で保証会社の訪問を受けた若い女性入居者の泣き声を隣室で聞き、身につまされる思いをした経験もあるという。そうした事情が、何かの拍子に今回の事件のような凶行に転じてしまう可能性もある。
「世知辛いですが、昔のままのやり方では通らなくなってきている現状もありますね」とMOLTAさんはいう。
昔ながらの温かい関係を望むのか、徹底的にガードしてビジネスとして割り切るのか。大家自身がスタイルを決めて腹をくくる必要がある。
城東不動産販売株式会社
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