【前編】 2026年の不動産市況を示すキーワード

公開日 2026年03月22日

2025年の不動産市況が保たれる鍵として賃料上昇の継続が重要であることを論じました。
それから1年が経過した現在、2025年も不動産賃貸市場の改善が着実に進行したと振り返ることができます

市況の改善が続いた2025年

日本不動産研究所が実施する「全国賃料統計」によると、2025年9月末までの1年間に共同住宅の賃料上昇を観測した都市は、調査対象158都市のうち84都市に上りました(図表1)。これほど多くの都市に住宅賃料の上昇が拡大しているのは歴史的にみても特筆すべき出来事です。

業界関係者の方々から聴取する伝聞情報としても、「入居者の入れ替えの際に賃料水準を引き上げている」というお声をよく耳にするようになりましたし、「契約更新時に賃料の増額改定に成功している」というご意見も聞かれるようになりました。物価の上昇に連動して今後も賃料が上がり続ける、といった強い期待感は醸成されていないものの、少なくとも2025年は、不動産市場におけるデフレマインドの払拭に向けて着実な一歩を踏み出す1年になったと振り返ることができます。

 

また賃貸市場の改善に支えられて、住宅価格や地価の動向も堅調でした。国土交通省が公表する「不動産価格指数(住宅)」によると、全国の中古マンション価格の上昇傾向が継続していますし、中古戸建て住宅価格もこれまでの水準を維持し続けています。毎年7月1日時点の地価を示す「都道府県地価調査」からも、全国的に地価上昇が継続していることが裏付けられます。

過熱とはいえない不動産市況

これまで不動産価格の上昇が続いてきたとはいえ、不動産市場がバブル的であると解釈することは適切ではありません。大都市圏における新築マンションの価格は、一般的な消費者にとって手の届かない水準にまで至っていますが、その価格を押し上げているのは転売目的の投機的需要ではなく、あくまで富裕層や高所得者層による居住目的の需要です。これに関連して、先ごろ国土交通省が、大都市圏の新築マンションの取引に占める短期売買や、国外居住者による取得の割合に関する調査結果を公表しました(「不動産登記情報を活用した新築マンションの取引の調査結果」)。これによると、調査対象期間である2018年から2024年1~6月にかけて、東京区部の一部の区において短期売買(購入後1年以内の売買)の割合が高い時期も見られましたが、それでも2割程度でした。国外居住者による取得の割合も多くの区や政令市において、たかだか数%程度にすぎません。日本のマンション市場が投機的な売買によって席巻されているとは認めがたい状況です。

またマンション価格や地価の動向も、単なる価格上昇期待によって不動産市況が形成されているわけではないことを示しています。たとえば令和7年の「都道府県地価調査」において、圏域別の住宅地地価の上昇率のランキングを確認すると、大都市中心部のポイントだけではなく、郊外部のポイントも上位にランクインしています。図表2にはその一例として、東京圏における住宅地地価上昇率の上位のポイントを示しました。相対的に地価水準が割安で、かつ子育て環境や交通利便性などの面で住み心地の良さが感じられるエリアにおいても、強めの地価上昇が見られるということは、実需に裏打ちされた地価変動の分布が生じていることを示唆しています。

 

 

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