「築古ビル」再生に商機 壊さず役割転換

公開日 2026年06月23日

「築古ビル」再生に商機 壊さず役割転換

※建築費の高止まりは続き、新築オフィス供給が増える可能性は低い中 完成から40年や50年が過ぎた「築古(ちくふる)ビル」を壊さず、改修と用途転換で資産価値を高める動きが出てきました。
 
 

東急不動産は東京・渋谷で、完成から約40年と約50年の2棟をオフィスに改修した。同社が採用したのは「再生建築」と呼ぶ手法だ。柱や梁(はり)は残し、他の設備を更新して耐震性を高める。

新築並みの賃料で成約

1972年に竣工の旧マンションは家具付きセットアップオフィスに刷新した。天井に吹き抜けを設け、負荷を抑えて耐震性と開放感を高めた。築50年以上の物件だが、周辺で同規模の新築オフィスに近い賃料で成約した。最上階の賃料は同社の渋谷のセットアップオフィスで最高水準だ。

市場で不動産価値を保てる期間を第三者機関が算定する「経済的耐用年数」も60年延び、2086年までとなった。

再生ビルの売却受け皿となるファンドも組んだ。出資したSMFLみらいパートナーズ不動産アセットファイナンス部の島誠哉部長は「第三者リポートで資産価値が向上するストーリーを合理的に説明してもらい、いけると考えた」と語る。

 

立地と劣化を精査

ただし、すべての築古ビルが再生に適しているわけではない。まず都心部にあり、駅に近いことが有力な条件となる。

 

 

 

建築費の高騰で脚光

 

都心では用地不足で不動産の入札競争が激化しているが、土地代や建築費の上昇で新築ビルの採算が見通しにくい。応札価格の引き上げも難しい。こんな局面ではリノベーションも有力な選択肢となる。

築古ビル再生は始まったばかりだ。25年7月時点で東京23区にはオフィスビルが9120棟あり、そのうち1990年代以前に完成の建物が約8割を占めた。79年以前のビルは半数がリニューアルされていない。

一方、築年数が古いほど改修による賃料上昇の効果が大きいとのデータもある。同社の調査でリニューアルから11〜15年後のビルの賃料は「未実施」に比べ、築20年以下で5%増、築21〜35年で3.7%増だった。これに対し、築36年以上では16.7%増となった。

 

城東不動産販売株式会社

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