都心の樹木の減少 街路樹50万本減世界の都市整備と逆行

公開日 2026年05月23日

緑の日傘消える日本、街路樹50万本減世界の都市整備と逆行

相続による空き家対策 また
高温多湿 渡り鳥の通り道の我が国と欧米を即座に比べることはできませんが
都心の樹木の減少は目につきますね

街中の木陰が縮小している。東京23区では9年間で東京ドーム256個分が消えた。国内の街路樹はピークから50万本減り、枝葉が広がらない品種に植え替えが進む。気候変動で夏の暑さが厳しくなるなか、海外の大都市は気温上昇を抑える木陰の拡大に取り組む。日本も街づくりを見直す転機を迎えている。

 

世界的に見れば、東京は木陰が少ない。各都市の公表資料によると、直近の樹冠被覆率はニューヨークが23.4%(21年)、シドニー19.8%(22年)、パリ17.6%(25年)。砂漠の中にある米アリゾナ州フェニックス(24年)も11%と東京を上回る。

切り倒される庭木、相続が影響

主な要因は庭木のある住宅や街路樹の減少だ。東京大学の分析では、23区内の木陰は13年から22年にかけて住宅地で3割、道路で2割減った。

日本は高齢化の進展で死者が増える「多死社会」に入り、不動産相続が増えた。地価や家賃の高騰もあり、相続した土地を細分化して売ったり、集合住宅を建てたりするケースが多い。どちらであっても庭木は切り倒される。

国土技術政策総合研究所によると、国内の街路樹は直近の22年調査時点で629万本と、ピークの02年(679万本)から50万本減った。さいたま市は管理に年9億円かかり「予算の都合で伐採しても植え替えないことがある」。高度成長期に増えた街中の木々は寿命を迎えつつあり、都立砧公園(世田谷区)では3〜4月に倒木が相次いだ。

その中で人気を集める街路樹がハナミズキだ。この30年間で3倍に増えた。成長が遅く、枝切りの費用が抑えられる。ただし木陰は小さい。自治体の緑化活動を支援する地域緑花技術普及協会によると、落ち葉や倒木の影響も考慮し、街路樹は小さくなった。

海外の主要都市は夏の猛暑対策として樹木を生かす街づくりにかじを切る。パリ市は30年までに市内の3割を緑地にする計画に取り組み、ニューヨーク市は樹冠被覆率を40年までに30%に引き上げる目標だ。民有地でも樹木の伐採を制限するなど、厳しい規制を課す都市が少なくない。

 

樹木を生かした街づくり模索

樹木は気温上昇を抑えるだけでなく、水を蓄えることで防災に役立ち、より良い景観は都市の価値向上につながる。国も多様な機能を「グリーンインフラ」と位置づけ、官民連携で樹木を生かした街づくりを模索する。ただ、啓発活動が中心で、広く浸透しているとは言い難い。

樹木の分布や種類、年齢などの基礎データを収集している自治体もある。都市緑化に詳しい東京大学の寺田徹准教授は「自治体はデータを公開して企業などに活用を促すとともに、樹木を増やした場合の効果を市民に定量的に伝える工夫が必要だ」と話す。

気候変動は加速しており、適応(アダプテーション)の視点が重要になる。木の持つ力を十分に活用した持続可能な街づくりへの転換が求められている。

城東不動産販売株式会社

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