都心「不動産上昇」神話の終焉は近い? パート1 都心「不動産上昇」神話の終焉は近い?

公開日 2026年07月04日

都心「不動産上昇」神話の終焉は近い?

都心はもう「売り」サインが出ている…投資家の戦略を解説

「東京の不動産はまだ上がる」。その神話はいつまで続くでしょうか?

 

つい数年前に不動産バブルの崩壊を身をもって経験した投資家たちは、いまの東京を冷静に、そして警戒的に見ています。彼らの目には、東京の都心はすでに「売り」のサインが揃い始めた市場に映っているのです。

なぜ彼らはそう判断するのか。「不動産投資戦略」をもとに、その視点を解説します。

もちろん、投資戦略には個人の価値観や経験が反映されるため、1つの型にはめることはできません。あくまで、前提知識や、投資判断の根底にあるバックボーンを理解するための参考としてご覧いただければ幸いです。

「2種類」の不動産購入層

最初に押さえておきたいポイントは、「不動産購入層は2種類存在する」という事実です。

・「タワマンを購入する投資家」
・「ローン返済に苦しむ人々」

この2つの層は完全に別物です。「日本でタワマンを買いあさる」という印象を持つ人も少なくありませんが、その反面で、国内では住宅ローンの返済に苦しむ層も数多く存在しています。

最も悲惨だと言われているのは1980年代生まれ(2026年現在、37歳〜46歳)の人々です。

この空気感を象徴するデータとして近年、国家統計局の数値をもとにした世代別の累計死亡率が、中国のネット上で大きな話題を呼びました。

 

1980年代生まれの累計死亡率は4.93%と、前後の世代に対し突出した数値を記録しています。

その主要な原因の1つとしてよく言及されるのが「不動産の高値掴み」です。中国の不動産販売額は2021年にピークを迎えたあと、急速に冷え込みました。

 

ちょうど不動産価格のピーク時期に働き盛りを迎えた1980年代生まれ。家庭を持った彼らは右肩上がりの神話を信じて不動産を購入し、下落の影響が直撃してしまい、多額の不動産ローン返済に苦しむことになりました。

その一方、日本など海外の不動産を買いあさる人々もいます。

彼らはどういった存在なのでしょうか。多くの場合、その答えは「不動産価格がピークを迎えた2010年代後半から2020年に、不動産を売り抜けた人々」です。ほとんどは1960年代生まれや1970年代生まれ、もしくはその資産を受け継いだ子女です。

彼らは1998年から2008年という、市場が未成熟で価格が圧倒的に安かった時代に購入に動き、その後高値で売却益を確保。不動産市場における「勝ち組」となったのです。

このように、不動産購入層は大きく二極に分かれます。高値で飛び込んで苦しんだ層と、時期を味方にして大きな利益を得られた層。不動産投資戦略を読み解く上で、この構造を理解しておくことは極めて重要です。

 

「売り方」を重視する投資家

一方 不動産戦略にも、大きな特徴があります。彼らの価値観は簡単に以下の2点に集約されます。

・不動産を純粋な投資の対象として見ている
・不動産の価格サイクルを理解している

このため、投資家は買う前から「売り方」を組み込みます。売却方法や証券化など、どうやって出口を作るかを設計してから入り口をくぐります。彼らにとって、売れない不動産は負債でしかないからです。

多くの日本人は買い方を熱心に学びますが、売り方については後回しになることもあります。売却はあくまで最後の手段です。そのために不動産に対する着目ポイントも決定的に異なります。多くの日本人が重視するのは、空室率やメンテナンス費用といった、個別物件の収支リスクです。

 

一方、投資家は需給バランスの変化や在庫、さらには金利と価格の相関といったマクロの構造リスクを常に監視しています。彼らは市場全体が崩れることを前提に、その波をどう乗りこなすかを考えているのです。

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