都心「不動産上昇」神話の終焉は近いパート2 3段階の崩壊と4つの売りの局面

公開日 2026年07月05日

バブル崩壊サイクル

では投資家はどうやって「売り」局面を見つけるのでしょうか。

以下で、崩壊のサイクルを整理します。

■第1段階:政策シグナルと予期される未来の逆転

不動産バブル崩壊のきっかけとなったのは、2016年に提唱された「房住不炒」という政策です。不動産を投機の対象から住むための場所へと引き戻すことを目的とした政策で、不動産購入には厳しい制限が課せられることになりました。

この政策で需要が絞られる一方、2020年に打ち出されたのが不動産デベロッパーの財務を直接縛る「3つのレッドライン」(負債比率など守るべき財務指針)です。

この施策は不動産デベロッパーが原動力としてきたビジネスモデルを破綻させ、今へと繋がるデフレ圧力となりました。

購入規制による在庫の積み上がりと、デベロッパーの破綻による信用収縮。この2つが起点となり、「不動産価格は永遠に上がるもの」という神話は現在の中国では崩壊しました。

そして、一度不動産の値下がりが始まると「この先に価格が下がるなら買わない」という心理が広がり、売り手市場から買い手市場へと逆転します。

 

 

■第2段階:買い手市場における負のスパイラル

ここまでに説明したように、歴史的に住宅購入者の多くは、住宅を消費財ではなく資産として購入してきました。

価格が下がり続けると判断した瞬間、合理的な行動は「底値まで待つ」ことになります。

この結果、以下の負のスパイラルが完成しています。

(1)成約価格が下がり、デベロッパーは値引き販売で対応
(2)潜在購入者は「まだ下がる」と購入を延期、販売面積・金額が急減
(3)デベロッパーは資金が回収不能となり債務膨張。金融不安へ
(4)銀行・金融機関は貸し出しを絞り、住宅ローン審査が厳格化
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■第3段階:中古市場へのリスク波及

この循環が続き、今は住宅ローンの不良債権化というリスクに発展しています。このグラフは国内における差し押さえ・競売物件の推移です。通常、初回入札価格は市場評価額の7割からスタートし、流札すれば5~6割にまで下がります。そして、この成約価格が新しい価格の基準となり、結果的に同一エリアの中古物件全体の価格水準を引き下げます。競売物件が増加した2021年以降の不動産価格調整サイクルは、デベロッパーの価格操作が及びにくい中古市場が主戦場になっています。これが不動産価格を下落させるループの加速装置となっているのです。

 

「売り」局面の見つけ方

ここまで解説してきた不動産投資家としての背景と、中国における不動産バブルの崩壊サイクルにもとづき、彼らは「売り」局面を見極める際、以下の戦略的なフレームワークを採用していると言われています。


・政策シグナルと需給関係
不動産の政策を注視、市場が「供給不足」から「供給過剰」へ変化し、投資需要が消失したことを認識する

・中古物件の在庫増加
中古在庫が前年比で大幅上昇した場合、価格下落の先行指標とみなす

・競売物件の数量と限界価格効果
競売価格は通常市価の5〜7割。これが買い手市場における負のスパイラルを加速する

・利回りと金利の逆ザヤ
賃料利回りと住宅ローン金利や国債利回りの比較。キャッシュフローがマイナスになれば売却を検討する

 

城東不動産販売株式会社

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