公開日 2026年09月02日
長期金利3%の影響を総点検 住宅ローンは…
長期金利が3%を超えた。金融機関の経営はどう変わるかにより 企業の資金融通も厳しくなりそうです。
日本の長期金利が3%を超えた。金利上昇は銀行にとって収益にプラスに働く半面、保有資産の含み損の拡大リスクと隣り合わせだ。銀行や生命保険、証券会社への影響を点検する。
メガバンク・大手地銀→○
メガバンクや大手地方銀行にとって金利上昇は稼ぐ力を高める追い風だ。貸出金利と預金金利の差である利ざやの拡大が期待でき、収益増につながる。
4〜6月期の3メガバンクの国内利ざやの平均は1.23%と前年同期に比べ0.23%上昇した。同期として14年ぶりの高水準だ。企業の資金需要は底堅い。市場金利に合わせて貸出金利を引き上げても大企業中心に受け入れる余地が大きい。
実際、長期金利の上昇を反映し、企業向け貸出金利の指標となる長期プライムレート(長プラ、最優遇貸出金利)は上がっている。8月には3.25%となり、2年前の2倍の水準だ。不良債権比率も3メガ平均で0.53%と依然として低水準にとどまる。
懸念は中小企業の資金繰りだ。
2025年版の中小企業白書によると、中小製造業の借入金への依存度は34%と大企業(20%)と比べて高い。現預金の多い大企業は預金の利息収入の増加で支払利息の増加分を相殺できる一方、借入金の多い中小は返済が経営の重荷となり、設備投資などの下押し圧力が強まる。
メガ銀幹部は「長期金利がどこに落ち着くのかは正直まだ見えない」と語る。高市政権の財政運営を「市場が厳しく見続ければ3%台後半に上がることもあり得る」とみる。
ネット銀→×
インターネット銀行は主力商品の住宅ローンへの影響が大きい。顧客離れにつながる可能性がある。
主要なネット銀の住宅ローン契約者の大半は変動型を選んでいる。変動型の金利は1.211%と大手行(1.082%)をすでに上回る。融資の原資となる預金が十分に獲得できていないことが要因だ。一部のネット銀はローンなどの貸し出し需要に対し、預金量が追いついていない。
ネット銀首脳は「預金集めの競争環境がここ1年で劇的に変わってきた。貯蓄から投資の流れで証券にも預金が流れている」と話す。
みずほ証券の岡田凌太シニアクレジットアナリストによると、主要ネット銀6行の26年3月期の預貸率は72%と、大手行と比べて約20ポイント高い。
預貸率は預金残高に対する貸出金の割合を示す。預金と貸し出しの需給が逼迫しており、大手行よりもローン金利を高くせざるを得ない。新規の顧客を呼び込みにくくなる恐れがある。
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